地元の町内会の防災訓練で、「災害時に役立つ段ボール工作」を開きました。
参加者が作ったのは、「ペットボトルの空箱で作る腰掛け(スツール)」「空箱で作る簡易トイレ」。防災訓練の全参加者600名強のうちの三分の1にあたる200名近くの方々が、一生懸命精力的にモノ作りに励みました。
3/11の東日本大震災と、千葉東方沖地震の発生確率が上昇しているというニュースの影響か、例年とは参加者の目つきが違います!
今年の防災訓練から、地元の中学校から希望者が参加してくれることになり、工作指導のボランティアスタッフとして尽力していただきました。
せっかくなので、実際の災害時を想定してコアの6名に基本的な作り方を指導、その後自分達で互いにロールプレイしながら「作り方を教える練習」に取り組んでもらい、その6名を3つの班に分けて、それぞれが更に教え手を育てていく方式を試してみました。
基本的に、スツールもトイレも作り方のベースは共通なので、皆飲み込みも早く、総勢15名ほどの中学生全員が、約1時間で「教え手」になり、丁度開会式も終わって訓練がスタートできたのです。
工作コーナーと同時に、せっかく災害時に避難所となる体育館を使っての訓練ですので、避難所内での1家族分のスペースを想定した4畳半の囲い空間を段ボールで作り、避難所での生活をシミュレーションできるコーナーを設けました。1つは壁が90cmのもので、もう一つが壁が180cmの段ボールで仕切られた4畳半のスペースです。考えたのは僕ですが、作るのは中学生にお願いしました。それぞれ約20分。
更に、避難所でのプライバシーのない生活が、被災者に精神面でマイナスに働く場合が多いとのお話を聞き、オープンな避難所の中で一時的に個人的プライバシーを守られた空間を用意しようと思い、プライバシーシェルターを考えてみました。これは僕が運営しているmonogocoroで紹介した「軽くて組み立て簡単で温かい避難用テント(Hexayurt)」の考え方を応用して、より日本的なデザインでかつ、特殊な工具や設計が不要で簡単に誰でも作れる様に考案したものです。※後ほどクリエイティブコモンズのライセンスに基づいて、別サイトで公開します。
これら全て、実際に僕が作ったものは少なく「作り方」をその日に会った中学生達に伝授し、彼ら彼女らが教えて広めて、作って展示したことが素晴らしかったと思います。これら全て8:30〜9:30に自分達で作り、9:30〜11:00に皆に教えたのです。正直、中学生の力が地元の防災などのリソースとして、ここまで期待できるものとは思っていなかったので驚きました。また、僕の所属する町内会は、シルバー層が7割にもなる日本の将来の様な人口比の地域です。その方達が積極的に段ボールカッターを手に取り、中学生に教えて貰いながら工作に励む姿は、美しく頼もしいものでした。
また来年も、災害に役立つ工作を提案していきたいと思います。
災害時に役立つ、腰掛け(スツール)の作り方はコチラ。
災害時に役立つ、簡易トイレの作り方はこちら。< 後日公開予定。
災害時に役立つ、避難所生活の向上を目指すプライベート確保のための段ボールシェルターの作り方はこちら。< 後日公開予定。
ちなみに、今回工作に使っている青いポッチはメイクドゥ(makedo)という、工作ツールです。なぜ今回利用したか?と言うと、この後解体した段ボールを、来年1月に地元の小学校で開く工作イベントで再利用する予定だからです。(ガムテープや接着剤だと、使い終わった段ボールは使い物にならずに燃えるゴミと化してしまいます。)
予定通り、防災訓練終了後、ほぼ全ての平段ボール(段ボール板)は、奇麗なまま倉庫に保管され、来年の登場を待っています。
※メイクドゥ(makedo)の詳細は、コチラでご覧いただけます。
※メイクドゥ(makedo)は、コチラでご購入いただけます。