映画&映画館を作りました!

make道場「映画をつくろう!」
make道場の月1ワークショップ「映画を作ろう!|Make Movie!」を、山形県長井市にある小桜館で行いました。
今回は、ホールにダンボール製のドームPaperDomeを組んで、映画作りのワークショップと並行して、地方の映画館過疎地に仮設映画館を組んで最新のドキュメンタリー映画を上映する。という実験にも銀座ソーシャル映画祭と一緒に挑戦しました。

2人で共同作業!
まずはワークショップ「映画を作ろう!」の方からご報告。
このワークショップは、普段持ち歩いているスマートフォンやタブレットが素敵な映画を生み出せるパワーを秘めたカメラであることに気がつき、そのカメラを使って誰でもどこでも自分で映画を作れることを遊びながら身につけるのが目的。
地方では、ほぼiOSデバイスしか持っていないのが現状ということで、今回は以下の2本のアプリで動画撮影を行いました。

コマ撮り用アプリ「Onion Cam」
1つ前のコマを半透明に表示してくれる上に、画像の順番も入れ替えられるコマ撮り&保存できる無料アプリ。

逆再生アプリ「ReverseVid」
撮った動画が逆から再生&保存できる無料アプリ。音声も逆再生されるので、そこも含めて撮ると面白いアプリ。

最初に、普通の動画の撮影方法。
次に、各アプリをインストール&使い方を実際に撮影しながら遊びます。
それから、持ち込んだいろいろな材料を使って被写体を作ったり、構想したり、試したりしながら、それぞれ自分のスマートフォンやタブレットで撮影を試みます。

もうね、子供達は凄い集中力で撮り始めるので…ホールの真ん中で映画が上映しているのを尻目に…周りをぐるぐる動きまくって自分たちの映画作りを楽しんでくれました。

今回の反省点は、被写体を作る時間と撮る時間と見る時間と、それぞれの時間が想像していたよりも短かかったこと。実際には「作って撮ってみた」程度しか時間がなく、4コマの絵コンテを描きながらストーリーを練って〜などの、映画を見る人の目線を獲得する時間がありませんでした。次回は、そこまで踏み込めればよいな〜と思いました。
まあ「カメラを使いこなす=時間を使いこなす」段階はクリアしたかと…恐るべしデジタルネイティブ。

次に映画館の方のご報告。
上映した作品は「0円キッチン」。廃棄される食材だけで5週間生活しつつヨーロッパを巡る旅のドキュメンタリー。小3の参加者に「字幕大丈夫?」と聞いてみたら、この内容なら見れば分かるよ!と言われるほど、とても分かりやすい構成で社会的問題を提起する映画でした。
ソーシャル含め約5,000以上のネット上のレスポンスがあったので、どれ位の人が来るんだろう〜と思いましたが、まあ予想通り全部で6名の方が映画を楽しんでくれました。

お借りしたリコーのプロジェクターは、子供達の小学校でも同じ機種を使っているそうで、十分な画角と明るさでドーム内でしっかり映画鑑賞可能とわかりました。しかし、VRやプラネタリウムなどの時の様に広く投影すると、映画を見るのに首を動かす必要があるほど内部に広がってしまうので、プロジェクタを中央付近に持ち込み、あえて画面を小さくして投影しました。(と言っても大画面です)

ドームに投影&鑑賞してみた感想としては、数名しか入れないことから見えてきたことがありました。
気心の知れた親子や仲間やで鑑賞する分には、思ったことを直ぐに口に出したりしながら楽しく映画を見るのに良いと思いましたが、例えば男性が1人で見ているところに女性が後から入る場合は、なるべく距離を置いて座りたくなる〜など「かくれた次元」的なパーソナルスペースを意識した席の配置を計画した方が良さそうだ、ということ。おそらく開口部を挟んで左右に席を振り分けるなどした方が良さそうでした。

面白かったのは、ホール中央のドーム内で映画を見ていても、外の人は気にならずワークショップができたことと、中の人(主には子供の引率できた保護者の方々)は、外の様子を感じつつ映画を見られる、という両面性が見えたこと。


本当は、開口部を閉じた方が中が暗くなって良い〜と思っていましたが、外と中との緩いつながりがとても魅力的に思えました。
また、中に入って見るのに快適かと思い、6年前に震災があった日である3/11ということで「ペットボトルの空き箱で作る腰掛け:QEスツール」を子供達に作って貰いましたが、どうも床に座って見た方が快適に感じられ、2回目の上映からはスツールなしで床に直接腰掛けて鑑賞してもらいました。
次やる時は、座布団のが良さそうです。

今回の反省点は…
ドームの分解に追われ、映画を見終わった後の時間を大切にできなかった事。
せっかく各自の思いが湧き上がっている時間に、コミュニケーションを促せなかったのが良くなかったと思います。これは、語る場と雰囲気を作り出せるカフェなどでの上映で、ある程度解消できるかも?と考えます。
※小桜館は文化財のため飲み食い禁止&営利目的NGなので。

ちなみにこの段ボールドームは、昨年の12月に京都で行われたATACカンファレンスで、サービス案内スペースとして利用された、車椅子での出入りが自力で可能な開口部を持つBasicVRのカスタム版ドームの使い古し部品の寄せ集め。それを予め仮組みしておくことで、組み立ては大人4人(内女性2人)で40分。分解も4人で20分となかなか素早い展開ができました。
段ボールドームに興味をお持ちの方は、Paper Domeを参照ください。

次回のmake道場は4/8(土)の13:30〜16:30で「ロボットハンドを作ろう!」です。
使うのは、僕の参加している「かみロボット研究室」の新しい教材を使って、段ボール製のロボットハンド作り&遊びを行います。
定員10名なので、東北方面の方、お早めにお申し込みください。
※詳細は後日このHPに掲載しますが、事前申し込みはtanaka@soupstudio.mixh.jpで受け付けます。

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