この夏はロボシャークを作って遊ぼう!

この夏はロボシャークを作って遊ぼう!

NHKのEテレ「Why?プログラミング」の監修や「小学生からはじめるわくわくプログラミング」の著者として知られる阿部さんのお声がけで、雑誌『子供の科学』の夏休みスペシャル企画としてロボシャークを作りました。

顔の超音波距離センサーをレーダーみたいに動かしてProcessingで描画しています。

せっかくなので今回は、最終的な形が決まるまでの過程を少しご紹介。

1)最初は段ボールのロボットフィッシュだった
最初のお話は、KoKaジブン専用パソコンキット2に搭載されているラズパイのGPIOピンを使ってScratchでプログラミングを楽しみながら何かをコントロールすることと、工作自体も楽しめるロボット的なものを作ることでした。そこで、いくつかご提案した中からロボットフィッシュ的なものを作ることになり、プロジェクトがスタートしました。

この夏はロボシャークで遊ぼう!
最初のロボットフィッシュのハードウェアスケッチ(動くプロトタイプ)。

2)誌面に入る様にデザイン
段ボール製の組立キット〜の様に考えてスタートしたのですが… 段ボールだと型代が必要になることや、部品を含めた一式のコストをなるべく低く抑えたい〜ということから、型紙を自分たちで切り出して作る方式に変更になりました。

この夏はロボシャークで遊ぼう!
B5サイズの誌面で作れるサイズを探している時のハードウェアスケッチ(動くプロトタイプ)

3)超音波距離センサーを組み込む事に
センサーに反応して動かせる等の、インタラクティブなロボットにできるといいな〜という阿部さんのご意見と、ちょうど『Arduino&超音波距離センサー&サーボモーター」でYoutubeで検索すると出てくる「超音波距離センサー&サーボで作る首振りレーダーみたいの」を作って見たかった僕の気持ちから、頭部に超音波距離センサーを積んだシュモクザメ(ハンマーヘッドシャーク)みたいなロボットを提案&作る事になりました。

この夏はロボシャーク で遊ぼう!
超音波距離センサーを搭載したロボシャーク のハードウェアスケッチ(動くプロトタイプ)

4)切り出しやすく、組立やすく、誌面に収まるデザイン
仕様が決まっても、組み立てられなかったり、せっかく作ったのにうまく動かなかったりすることが無い様に、ひたすら試作を繰り返し、作っては動かし改善し、作っては動かし改善すること数十回。入稿ギリギリに型紙のデザインが確定したのでした。

ギリギリ間に合ったロボシャーク の型紙のデザイン

大変だったこと
夏休みの工作スペシャルということで、あまりコストを掛けずに作れることを優先するため、すでにサーボモーターや超音波距離センサーなどの汎用品を持っている子ども達が、手持ちのもので組める様にすること。
例えば安くて良く使うことが多い小型サーボモーターSG90も互換機なども数多く出ているので、ある程度調整することで互換機でも使える様にするとか、超音波距離センサーも水晶モジュールの有無があったり〜など、ある程度の互換対応を目指した作り込みなどです。それ以外にも、100円ショップで手に入りやすい糸を紹介する〜などの細かな案内も必要だったりしました。

また例え500円のサーボモーターでも小学生にとっては貴重品。そこで全てのセンサーやモーターなどを組み込む際に、後から分解してそのまま取り出せることを目指しました。「当たり前じゃん!」と思われる方も多いですが、ユーザ自身で切り出す紙工作で、きちっと動くことと分解できることの両立させるのは、とても難しいことでした。

そうして作った紙工作キットの作り方を文章で伝えるのが、これまた難儀。その全てや工作初心者にも必要そうな情報を盛り込むことを考えると、紙面の関係から1/10くらいの情報しか掲載はできないのだな〜ということを、実は今回全て書き出してみて実感できました。今後の情報の出し方&伝え方のヒントになると学ばせていただきました。

持ち運べる様にArduino Nanoが入った小箱の上に完成版ロボシャークを接着したもの

そして、実は僕自身はRaspberry Piには疎遠で今までの動きモノは大体Arduinoで組んでいます。その関係で動作確認はArduinoでサクッと済ませて大事な局面でラズパイで動かして確認していました。※なんと今回初めてラズパイのGPIOピンを使いました。

今は結構良いコントロールボードが何種類も出てきているので、このボードじゃなきゃ組めない!とかは無いので、いろいろ工夫して楽しみながらプログラミングできる良い時代に思います。

今回のロボシャークは「何かが出来る」などの機能的なロボットではなく、何かを感じて(センシングして)尻尾を振って表現する(ユーザーに伝える)ということができるパーソナルペットロボットの側面を持たせたデザインを心掛けたものです。少しでも多くの子供達に、作る楽しみ&プログラミングする楽しみ、そして遊び心を広げるお手伝いができれば幸いです。

ではでは、Enjoy Making!!

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...